広くて寒い雪の大地北海道。
その昔。肉と言えば豚か鶏でした。
雪に覆われる田舎では、鯨肉がありがたい蛋白源。
すきやきもシャブシャブも豚肉。
牛肉はトムとジェリーのハイカラな世界でした。
ジンギスカンは、もりもりと肉を食べられる、ほとんど唯一の料理でした。
しかし当時のジンギスカンは、マトンが主流。
現代の主流であるラムのようには、柔らかくもなく匂いも強烈。
「食い千切れねーーっ!」
と、アメリカンジョークなガムのように伸びました。
ラムを初めて食べた時は感動したものです。
圧縮ラムと同じ製法でロールされる商品があります。
通称圧縮マトン。
価格はラムよりもマトンの方が安い。私がいつも買うのは、ラムが1,000円/キロ、マトンが800円/キロくらい。
肝心の味は、と言うと。臭さ硬さ共に、文句なくマトンの勝ちです。
圧縮ラムとマトンを比べてみました。
写真左がラム。右がマトンです。
スライスの厚さの違いがわかるでしょうか?
ラムよりマトンの方が薄くスライスされています。
肉としての見た目の違いはあまりありません。
マトンの方が少しだけ脂身が多いかな?
マトンを室内で焼くと、香りはラムよりヘビーです。
薄くスライスされているので、なんとか噛みちぎれます。
ラムの厚さで切ると、たぶん脂身と肉そのものの硬さで、噛んでも噛んでも飲み込めない特大ガム状態でしょう。
でも私は好きだぜ。圧縮マトン!
羊を喰ってる、って感じ。
最近の流行りは厚切りラムから脂身をていねいに取り除いたタイプ。
たしかに柔らかいしうまい。
でも圧縮マトンの脂身たっぷりで、焼くと匂いと煙を噴き上げる野蛮さが癖になります。
ジンギスカンに季節はありませんが、圧縮マトンは夏に部屋の外で食べるのが旬と言うか、身のためというか。
ひとときの快楽のために部屋を3日間臭くしたくなければ、外で焼くことをお勧めします。
ラムはヘルシーと言いいます。
ジンギスカンを食べると体感できるラムの特徴は、ちょっと冷めると「脂が固まる」
人間の体温では、羊の脂は溶けないんですね。
肉ごとの脂の融点はこんな感じです。
羊:44度
牛:40度
鶏:30度
馬:29度
豚:28度
ジンギスカンの脂は体内で固まってしまって、消化吸収されづらいと言う荒っぽい理屈です。
ましてやジンギスカンほどビールを飲む焼肉はないってくらいにゴクゴクとイッちゃいます.
そりゃあ、腹の中で固まりまくりです。
脂肪分解酵素「リパーゼ」ががんばる間もなく、羊脂は大腸へたどりついてしまうというからくりです。
二つめの特徴は「L-カルニチン」含有量が豊富なことです。
脂肪を燃焼させる働きがあるアミノ酸の一種「カルニチン」
カルニチンは人間の体内でも生成されていますが、年齢が上がると生成能力が落ちます。
外部からの補給が大事です。
カルニチン含有量(各100g中)
マトン:209.0mg
ラム :85.6mg
牛 :60.0mg
豚 :18.8mg
アジ :14.3mg
圧倒的じゃないですか!
最後に「不飽和脂肪酸」が豊富なこと。
イワシやサバ、アジなどの青魚がコレステロール対策に良いと言います。
コレステロールが気になっちゃうけれどイワシよりも肉を食べたい! と、言う方には最適なジンギスカンです。
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